「実業之富山」1948年8月号表紙
(プランゲ文庫所蔵資料)
事後検閲への切り替えとともに、検閲の目的も変化していった。プレスコード違反を取り締まるという当初の目的に加え、情報源として分析・活用するという動きが出てきた。
「実業之富山」1948年8月号表紙に記された検閲記録によれば、この号は8月20日にCCD(民間検閲支隊)に届き、検閲が行われたのは1カ月後の9月20日である。違反箇所はなく「Passed」となっている。
「INF」の欄に「prepared」とあり、左上には1ページ、3ページ、21ページについてI/S(インフォメーションスリップ)を作成したとのメモ書きがある。それぞれ政党の動き、政府の増産政策、ロシア情勢について触れた記述であるが、地方誌であってもすみずみまで情報源として目を通していたことがわかる。